高断熱な住宅にする方法とお金の関係
前回記事で、外張り断熱についてまとめましたので、今回も引き続き「断熱」に関することを書いてみようと思います。
住宅を高断熱にすることとお金の関係
昨今、高断熱住宅、ですとか、外断熱がどうとか、TVやCMでも取り上げられて久しいと思います。
建物内部の熱が、外に少しでも逃げなければ、内部は快適なのはもちろんのことです。まさに、冬にダウンジャケットなどの防寒着を着るのと同じ原理です。
でも、実際のところ、
「断熱材」だけが大事なのでしょうか?
建築のニュースの記事によると、その部分に焦点を当てたデータがありましたので、わかりやすくまとめてみようと思います。。
住宅を高断熱にするための方法とコストパフォーマンス
断熱性の高い窓にする
コストパフォーマンスが最も良い手段は、
窓を断熱性の高い窓にすること
です。これは例えばガラスを複層ガラス(ペアガラス)にしたり、サッシ本体を断熱仕様のサッシにする、などです。
部屋の換気方法を変える
そして次にコストパフォーマンスが良いのは、
部屋の換気の仕方を変えること
だそうです。
この「部屋の換気」とはどういうことかと言いますと、例えば冬の換気時は、
部屋内から換気扇で室内の空気を吸って外に出す
と言うことが起こります。そして、当然外に吸い出された分の空気は、給気口などを介して外部から部屋内に入ってきます。
これは、簡単に言えば「暖かい空気を外へ出して、冷たい空気を中に入れる」ということになっていますので、温度環境と言う意味では、とても非効率となります。
この非効率な部分を無くすために、ある機械を通して給気するという形にすると、この無駄が無くせます。
この機械は「熱を交換する」という機能を持っています。簡単に言いますと、排気で外に出て行く暖かい空気の熱を、プールしておいて、給気で取り入れる外部の冷たい空気に、その熱を乗っけて部屋に入れてくれる、というイメージの機械なんですね。
こういった機械を換気経路に採用することで住宅の断熱効果を効率的に高められると言うわけです。
外壁の断熱材を変える
いわゆる外壁の断熱材の性能や仕方を変えると言う手段は、コストパフォーマンス的には上記2つの手段の次となりまして、3番手 となります。
しかも、
最新の高スペック断熱材を使用したり、外張り断熱にすれば、住宅の断熱性が高くなる!
と勘違いをしてしまっている方が多いのですが、実際はどんな断熱材を使用しても、断熱材の厚みを分厚くすれば断熱性能は上がりますし、薄くすれば下がります。
しかも性能の高いものは基本的には高価ですし、低いものは安価なことが多いです。
つまり、コストは 断熱材の能力 × 断熱材の厚さ で決まるということになります。
まとめ
上記のようなデータを考えて見ますと、住宅の断熱性を上げたい場合に、ついついはじめに考えてしまう断熱材の仕様ではなく、
- 窓の仕様のグレードアップ
- 換気機械のグレードアップ
などにコストを注力するのが大事だと言うことがわかってきます。
この2つの点に共通しているのは、いずれも「外部からの冷気の進入を食い止める」という点です。
既に断熱している部分の性能を上げるよりも、明らかに性能の低い部分を底上げすることの方が大事だと言うことですね。
こういうことも、頭の片隅にあると、快適である上に経済的な設計が可能になっていく、と言うことにつながっていくんですね。
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