土地について知っておいて頂きたいこと(法的な能力)

1戸建ての住宅を建てるためには当然、

「土地」

が必要です。では、その土地を買うためには、どんなことを考えればよいのでしょうか?

土地を買うとき、探すときに考えること

実は、これは案外難しいことなんです。 多くの人が考えることは、まず、

「立地」

だと思います。そう、

  • 最寄り駅はどこ?
  • 駅から近いの?
  • 前面道路はどのくらいの巾?
  • お隣さんにビルなどが建っていて日影にならない?

などだと思います。もちろん。これらも大事な要素です。しかし、これら以外にも、見えない部分での大事な要素、と言うものはたくさんあります。 

土地についての見えない要素

 まず1つ目は、

  1. 建築基準法
  2. 各自治体の定める条例、指導要綱

で、決まってくることです。

建築基準法

は、みなさん、名前はよく聞いたことがあるのではないかと思いますが、いわゆる

  • 建ぺい率
  • 容積率

といった、建物の面積に対する制限や、

  • 道路斜線
  • 北側斜線

などの、建物の高さに対する制限、その他にもありますが、このあたりは、建築基準法によるものです。

そして、次に

各自治体の定める条例、指導要綱

についてですが、これは建築基準法では網羅できない、もう少し細かい制限などが定められています。例えば、森の中の別荘地などでは

屋根はナナメ屋根以外はダメです

などという条例などもあります。その土地ごとに制限があったり無かったりなので、こういったことについては、はじめによく調べる必要があります。

各種制限によっての建てられる家の違い

ここで例えば、買いたいな、と考えている土地が 100㎡ だとしましょう。

ここで、2つのパターンを例として挙げてみます。

ケース-1 : 建ぺい率が50%で容積率が150%の場合

  • 建物の建築面積MAX=50㎡
  • 建物の延床面積MAX=150㎡

ケース-2 : 建ぺい率が80%で容積率が300%の場合

  • 建物の建築面積MAX=80㎡
  • 建物の延床面積MAX=300㎡

となってきます。いかがでしょうか?

ケース-1 と ケース-2 では、ワンフロアの面積が 1.5倍 も違ってきます。全体の延床面積(簡単に言いますと各階面積の合計)などは 2倍 も違います。

もちろん、面積が広ければ、その分建築コストも上がります。しかし、

制限が大きい・・・小さい家しか建てられません

制限が小さい・・・小さい家も大きい家も建てられます

ということとなりますので 大は小を兼ねる と言うことになります。そうなると、どちらの土地に価値があるのでしょうか?

もちろん、ケース-2の土地の方が価値がある ということになるのです。(原則論です)

高さ制限も基本的には同じ考え方となります。高い建物を立てられる土地のほうが選択肢が多い土地なわけですから、価値がある、と考えられます。

こういった「選択肢の多い土地」というのは、そういう観点から、どうしても値段が高い傾向にありますが、逆に選択肢の少ない土地も、値段が高いケースは往々にしてあります。

例えば、高級住宅街などは、まさにそれです。

単純化してシュミレートしてみましょう。ひとつの例と思ってください。
まず、土地に対してゆったりと建物を建てます。そして、これが数棟あるとします。すると、それによって街区全体がゆったりとした面持ちとなって、そのエリア全体がゆったりとした余裕のある雰囲気をかもし出します。結果的にこのエリアは落ち着いた雰囲気となって価値が上がり、人気も上がります。すると土地の価格も上がりますので、結果的に高級住宅街になる。と言ったメカニズムです。

話は戻しますが、こういった見えない「土地のスペック」も土地選びの上ではとても重要だ、ということなのです。土地を買った後に、

こんな小さい家しか建てられないの?

などのような後悔をしないで済むように、あらかじめの調査はしっかりとしておきたいところです。

次回も、もう少し土地のスペックについてのお話を続けようと思います。