シックハウス症候群をご存知でしょうか?
前回までは、しばらく鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅について焦点を当てた記事を書いてまいりましたが、今回は新築建物とは深く関係のある
シックハウス症候群という症状
について記事にしようと思います。
皆さんも、ニュースなどで一度は名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。
この「シックハウス症候群」というものは、簡単に言いますと「家にまつわる病気」と考えていただければ良いかと思います。では、
- その原因とは?
- 建物との関連とは?
について述べて行きたいと思います。
シックハウス症候群の原因
シックハウス症候群の原因は、様々考えられると言われているのですが、最も大きい原因として言われているのが、
建材や家具などから発散される「ホルムアルデヒド」という物質や 「VOC(トルエン、キシレンなど)」などの揮発性の物質を、人が 常時吸うことにより起こる
と言うことです。
シックハウス症候群は、まだまだ解明されていない部分も多いのですが、こういった物質がたくさんある空間に長期間暮らしていると、健康に有害な影響が出ると言われているのです。
シンナーを吸って起こる、シンナー症候群に近いものと思います。
「え!? 建材って、そんな危ないものが放出されてるの?」
と思う方も多いかと思います。その疑問に対しての答えは「YES」となります。そう聞きますと、何だか怖いですよね。。。では、このシックハウス症候群になると、どんな症状が出るのでしょうか。
シックハウス症候群の症状
シックハウス症候群の症状は個人差が大きく、かなり色々な種類があります。そして、本人にしか自覚できない症状が多く、他の病気と間違われることも多いと言われています。
そのような中でもよく言われている具体的な症状が、
- 目がチカチカする
- 頭がボーッとして何となく痛い
- 目が痛い
- めまい
- 喉が痛い
などなど・・・です。
症状だけ見ると風邪と似ていますよね。ついつい、風邪を引いたかな?と思ってしまうところです。しかし、このような症状が、家を建てた後もずっと続くとしたら、、、これは大変なことですよね。
シックハウス症候群を防ぐには
このシックハウス症候群を防ぐ方法としましては、
新築時に1週間ほど窓を開放して発散できるものは少しでも発散させてから引き渡しをする
とすることが良識あるやり方ですが、住宅自身の価格や、工期の厳しさから、この工程を省く業者も少なくありません。ですので、もしこういった説明が無い場合は、出来る限りやってもらうようにしたほうが良いと思われます。
また、現代では建材も研究され、少しでもシックハウス症候群の原因になる化学物質を排出しないようなものが開発されています。建築基準法でも、一定以上の化学物質の発散のある建材は使用禁止ですし、「クロロルホルピス」という物質はたとえ少しでも発散するものは、全て「使用禁止」となっています。
「ならそういう安全な建材を使ってもらいたい!」
と誰もが思うと思います。もちろん、それが最も大事な事なので、どの建材が化学物質の発散が少ないのか、わかるように、
シックハウス症候群に対しての指標
と言うものが、建材にはあるんですね。
このシックハウス症候群に対しての指標は「F☆☆☆☆」などと表現されています。
これは「エフフォースター」と読みます。星の数が多いほどレベルが高く、化学物質の発散が少ない建材と言うことになります。また、最大で星4つとなります。
もちろん、何でもそうなんですが、レベルの高いものはその分値段も高いものです。良識ある設計者がきちんと設計をする場合は、たとえ建主様が何も言わなくても、設計図の特記仕様書や内部仕上表や共通事項欄などに
「内装建材は全てF☆☆☆☆の建材を使うこと」
と記載します。当事務所でもこれは必ず記載しています。
逆に安かろう悪かろう、でギリギリ法律をクリアすれば良い、と考えている会社の場合は、時に一部の家具建材にF☆☆☆以下の建材を使用するケースもあるようです。
理由もなく安い家と言うのは、例えばこう言った、一般の方がわからないところで、少しずつコストを削ってることも多いわけなのです。
もちろん、安く建てられることに越したことはありませんが、小さいお子さんや、健康に優れないご家族がいる場合は、是非この事には留意して気をつけていただき、
F☆☆☆☆の建材しか使わないようにしているかどうか
を設計者や担当者にご確認されることをオススメいたします。
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