住宅で地下をつくるのに知っておくべきこと

今回は、

鉄筋コンクリート造(RC造)の家で地下を作る

ことについて話してみたいと思います。

「住宅で地下?」 と思う人も多いと思いますが、鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅の場合は、 結構あります。と言いますのも、地下は鉄筋コンクリートでしか、 作りたくても作れないからなんです。

ですので、地上部分が木造住宅の家で地下を作る場合も、地下だけはコンクリート基礎の延長で、鉄筋コンクリート造(RC造)で作るしかないわけです。

建物の地下の特徴

「地下」と言うのは、当たり前ですが、通常なら窓が作れません。ですので、「からぼり」とか 「ドライエリア」と呼ばれる 掘り込んだ外部空間 を作ることが多いです。

このドライエリアを作れば、換気もできますし、多少の採光も期待できます。逆に、大雨などのときは、このドライエリアに水がたくさん入り込んでしまうので、排水の能力を上回ってしまうと、若干怖い部分はあります。

ところで、なぜこの「ドライエリア」の話を書き始めたのか?と申しますと、この「地下の換気」は非常に大事なことだからです。

なぜなら、土地について知っておいて頂きたいこと ② でも書きましたが、 地下には「地下水位」と言うものがありまして、通常、地下はどこにでも水分が多量にあるのです。土を掘れば、湿った土が出てくることと同じです。たまに水がしみ出てくることもあるくらいです。

この水分が鉄筋コンクリートの壁に少しづつ浸透して内部に湿気を伝えてくる、と言うことです。 これは、どうしても仕方の無いことで、どんなに分厚いコンクリートの壁でも 湿気だけは少しづつ染みて伝わって来てしまいます。

ですので、地下室内の湿度が高くなり、その結果、 壁面に結露が大量にできてしまう と言うことにつながるのです。この結露の量はかなりの量です。言葉で表現するなら、「ビショビショ」と言う感じに近いです。

もちろん貯まればどんどん下に流れて、しまいには地下室内の地面は水たまりになります。ですので、これを防ぐために、通常は、

地下室は2重壁

にしています。そして、2重壁の間に湿気を閉じ込め、そこで結露となって下に流れ落ちた水を排水管に引っ張る、というわけです。

そうして、地下でも快適な、温度、湿度を保った部屋ができる、ということになるわけです。

しかし、こうまでして、

  • なぜ地下室を設けるべきなのか?
  • なぜ地下室をつくることをわざわざ記事にしてるのか?

ですが、、、

地下室がもたらすメリット

それは、、、地下室というのは住宅系の場合は、ある一定の範囲で、

地下室面積を容積率から除外できる

というメリットがあるんです。つまり、決められた上限の延床面積からオーバーしてしまっても、 地下の面積は除外してよろしい、と法律でうたわれていると言うことです。ですから、地下室とは、地上であれば本当は作れないスペースなのに、地下だからつくれてしまうと言う、お得なスペースと言うことになるのです。

寝室として使うには、何だか陰気臭いし、湿気もありそうだからチョッと。。。と言う方もおられると思います。そういう場合は、地下室は風呂やトイレなどの水回りとしたり、巨大な倉庫、納戸などとして利用すれば、地上の間取りに余裕を持たせることもできます。

特に、限られたスペースで2世帯住宅などにしたいと考えてる人などは、ぜひ検討してみる価値はあるでしょう。

ただし、地下を作ると言うことは、その分工事費は上がります。ですので、

新築当時には予算が厳しい

と言う方は、とりあえず、はじめは地下の空間だけ空っぽにして作っておくのがオススメです。
それこそ、2重壁も作らず、アクセスする階段なども作らずにです。

そうして、いずれ予算が確保できるようになったら、1Fの床に穴を空けて階段を作り、空っぽの地下に2重壁を作って、内装工事をしていく。そうして、実際に地下室として使用できるようにしていくのです。このように、家の歴史と共に、自由自在に家をカスタマイズしていくための「施し」をあらかじめ考えて計画しておく、というのも家づくりには大事な要素なんですね。