土地について知っておいて頂きたいこと(土地の特性)
今回は、前回の続きとなります。土地を買うに当たっての2つ目の大事な要素についてです。
目に見えない、土地の大事な要素
目に見えない大事な要素、と言いますと、前回記事にしました、法律的な制限と言うものも、もちろんそうなのですが、今回ご説明しようと思っていることは、もっと物理的な意味での「目に見えない要素」となります。
それは何かと申しますと、、、買おうとしている土地自身の持つ特性 です。
土地自身の持つ特性とは
簡単に言いますと、その土地は、
- 地盤が固いのか?柔らかいのか?
- 地下水位は高いのか?低いのか?
- 海抜はどのくらいなのか?
- 周囲と比べて高いのか?低いのか?
といったことです。
確かに物理的なことですね。。。でも、どうしてこんなことが重要なのか、イマイチピンと来ない方も多いかもしれません。しかし、これは かなり重要 と思ってください。
前回記事にしました 法律によって建てられる建物の規模が変わってくる と言うことと比べますと、おそらくは雲泥の差で大事だと思います。
地盤の固さについて
では、1項目づつご説明していこうと思います。
地盤が固いのか?柔らかいのか?
は、そのままのことで「地盤の固さ」です。上に建てる建物を支える地盤が硬くなければ、上に建つ建物は不安定になってしまうわけです。ですので当然 柔らかいよりも硬い方が良い のが一般的です。
ただ、これは、近接地で地盤の硬さが違うと言うことはあまり無いので、買いたい土地のエリアが、狭いエリアで決まっている場合は、あまり関係ないかもしれません。むしろ、その買いたいエリアを決める際に大事な要素かと思います。土地を買う際には「地盤調査資料」と言うものが既にある場合もありますので、これはしっかりと見せてもらいましょう。内容の精査が難しい場合は、専門家に説明を受けることもしてよいかと思います。
万が一、買ってしまった土地が比較的柔らかい地盤だった場合、その上に建てる建物次第では、地盤を強固なものに改良する必要が出てきます。
その方法は、
- 地盤改良(土を入れ替える等)をする
- 杭基礎とする
などです。
「住宅レベルなのに杭を打つの?」
と思われる方もおられると思います。しかし、現に構造上どうしても必要で、2階建ての鉄骨造で杭を打たざるを得なかったと言うケースもございます。
結局、柔らかい地盤の土地を「安い!」とばかりに買っってしまうと、こういった地盤に対する工事費が膨れ上がってしまい、気付けば工事費でかなりの増額!(泣)なんてこともしばしばあるのです。
この地盤の硬軟は、土地の売主にきちんと確認してから検討しないといけない大事な項目ですね!
そして、次に、
地下水位は高いのか?低いのか?
です。地下水位のお話ですが、これは次の項目の「海抜」にも密接に関係することが多いので、併せてお話しをしようと思います。
地下には必ず水が流れています。いわゆる「地下水」というものです。原則的には、海抜が低いと、地下水位は高いと言われています。
地下水位が高いか低いかと言うのは、その土地の地盤表面から見て「高いのか?深いのか?」ということです。
「なんだ、この土地は海から遠いし、地下水位の心配は無いから安心だ」
と言うのはちょっと浅はかな考え方で、内陸でも海抜が低ければ地下水位が高い土地はあり得ますし、大きな川が近ければ、それも然りです。
これも調査で、きちんとわかります。
では、地下水位が高いと何がいけないのか? 例えば、東日本大震災の時に、千葉県浦安市付近で「地盤の液状化問題」と言うのが発生して一時期テレビニュースを賑わわせました。
そうです。地下水位が高いと、この「液状化」が起きやすいのです。この液状化というものはどういうものかと申しますと、
砂質地盤が水分を含みすぎたことにより、液体状になってしまうことです。盛り上がったり、陥没したり、左右に移動してしまったり。。。
そんなことが起ったら、上にある建物はひとたまりもありません。下手したら、倒壊の危険性だってあります。しかも、液状化が起こってしまった後、怖いから引っ越そう!と思ったとしても、その時点で、その土地につく価値はたかが知れています。。。泣
いかにこれが恐ろしい問題か、お分かりになったかと思います。
そして、
海抜はどのくらいなのか?
において 海抜が低い土地=海が近い土地 であった場合、東日本大震災のように、万が一、津波が生じたら、それこそ、資産は一瞬で、文字通り海の藻屑となってしまいます。。。海抜の低さは、人間の手ではどうにも超えられない可能性を秘めているわけです。
最後に
周囲と比べて高いのか?低いのか?
の周囲との高低差についてです。
これも非常に大事です。自分の土地の周囲で高低差があると、当然、台風などの大雨の時に、水が低い方に流れていきます。よく台風の時に、道路わきで川のように流れている雨水を見かけますよね。
記録的な大雨と言うのは、どの土地でも統計的に10年くらいに1度はやってくると言う話です。
こんな時に、もし、周囲より低い土地に家が建っていたらどうなるでしょうか?
目も当てられない大惨事になるのは明らかです。周囲に降った雨が、自分の土地に全て流れ込んでくるということ になります。最悪、自分の土地は池のようになってしまいます。
1階など、部屋内部に水が当たり前に浸入してきます。これを復旧するのがどれほど大変で、お金のかかることか。。。とても脅威的なことです。
まとめ
これら4つの項目は以外にも土地自身が持つマイナス要因というのは、あるはずです。それはその土地ごとに違うので、ここで全てのパターンを挙げていくことは不可能ですが、少なくとも、この4つの項目は、土地を買う際に、まず第1優先事項としてチェックしていただいて損は無いと思います。
駅から徒歩5分であるとか、バス停が近いですとか、これらももちろん大事な要素ではあるのですが、それ以上にこれら4項目にちょっと気をつけてもらえますと安心と思います。
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