鉄筋コンクリートの住宅が優れている7つのポイント

これまで、何回かに分けて「鉄筋コンクリート造(RC造)」について記事にしてまいりました。今回は、より具体的に、皆様がより自然に感じれる内容をまとめてみようと思います。

鉄筋コンクリートの住宅の優れているポイント

比較、と言う意味で、

現在最も一般的に普及している「木造」と比べて優れている点は何なのか?

と言う書き方で、わかりやすく書いていこうと思います。

耐震性能を上げやすい

ただでさえ、地震に強いと考えられている鉄筋コンクリート造(RC造)ですが、木造に比べて、比較的簡単に耐震性能を上げられるという利点があります。

例えば、基礎や柱や梁を一回り大きくしたり、重要な壁を厚したりすること、それだけで、地震に対する強さがあがる、ということが多いです。

これが木造の場合は、壁を増やしたり柱の本数を増やしたりしない限り、 地震に対しての強度は増えませんので、既に出来上がっている間取りの中に、

  • 柱を増設
  • 壁を増設
  • 筋交いを増設

と言うこととなりますので、様々な変更を余儀なくされることもあって、場合によっては、かなり厄介なこととなります。

構造体に境目が無い

鉄筋コンクリート造(RC造)は、構造の素材が鉄筋コンクリート1種類のみです。ですので、地盤面下の基礎から、屋上の突端まで、全てぐるっと鉄筋コンクリートで包まれていることとなります。なので、基本的には境目が無いのです。

境目がないということはその分、 風雨の侵入に対しても安心できますし、そこからの破壊もしにくい、と言うことにつながります。

鉄筋コンクリート造(RC造)は気密性が高い

などと言われる所以です。

簡単に言いますと「境目」は弱点になるわけです。それに引き換え、木造は、 基礎は鉄筋コンクリートで、その上に木の土台が乗るわけですから、 すでにその部分で境目があります。 その上、木造自身が、何枚もの木を並べたり積層しているわけですから既にそこでも境目が出来てしまっていると言うことになります。

木造の場合は、そういった継ぎ目部分の弱点を、様々な金物などで補強したり、防御することで弱い部分を補っているのです。

外壁の仕上げの種類が多い

鉄筋コンクリート造(RC造)の場合は、そのままモルタルなどでタイルも直に張れますし、自然石も張ることができます。

もちろん、木造に一般的な「サイディング張り」もできますし、塗料を直に塗ることもできますし、土壁風のこて塗り仕上げもできます。

はっきり言いますと 建築用の外装仕上げ材で使えないものはほぼ皆無 と言ってよいでしょう。 それに引き換え、木造はタイルを張ることもかなりの制限を受けますし、石などを張るとなると、下地を増強したりと、無理をする上にコスト増ともなります。塗料も選びますし、外装の仕上げについての選択肢は、鉄筋コンクリート造(RC造)と比べると少なめとなってしまう、というのが 現状です。

安心できる屋上を作ることができる

鉄筋コンクリート造(RC造)ならば、陸屋根(平らで歩行可能な屋根・・・いわゆる一般的な屋上)にすることが一般的ですし、しっかりとした防水もできますから、原則的には何も問題はありません。広い屋上を作って、 バーベキューをすることも簡単なことです。

しかし、木造で陸屋根を作ることは、あまりオススメできることではありません。なぜなら「安心のできる屋上」 とはどうしても言いがたいからです。実際に、木造で陸屋根の屋上を作って、数年は良いのですが、ある日雨漏りが発生して大変なことになった、と言う話は、決して少なくありません。私たちの購読しているような建築雑誌には、よく取り上げられている問題でもあります。

屋上が活用できると言うことは、日当たりの良い庭がもうひとつあるようなものです。これは建物の大きな「価値」ともなると思えます。

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耐火性能が高い

鉄筋コンクリート造(RC造)の建物は、原則的に「耐火建築物」となります。

そもそも、耐火建築物とは、簡単に言いますと、建物が耐火性能を有しているかどうか、なのですが、鉄筋コンクリート自体が耐火性能を有しているわけですから、大概のケース、耐火建築物となりえます。

法的な意味合いで、あえて耐火建築物にしない場合もありますが、これは専門的な話ですので割愛します。

木造の場合は、当然ですが可燃性が高いものが材料なので、耐火構造にすることは現代では不可能ではありませんが、ケースとしてはまだまだ少ない事例です。ですので、木造住宅の場合はせいぜい「準耐火構造」という、「耐火構造」からはワンランク下の耐火性能止まりという事が一番多いんですね。

当然、火事などが発生すれば、木造の方が燃えますよね。。。毎年、暮れになると火災が頻発していますが、ほとんどが木造住宅です。

もちろん、鉄筋コンクリート造(RC造)の建物でも火災は起きますが、これは建物本体が燃えているのではなく、内装材や家具などが燃えている、という事がほとんどなんですね。

遮音性能

壁の防音性能と言うのは、原則的に壁の密度によると言われています。密度と言うことは簡単に言えば、重いか軽いか、ですね。

つまり、鉄筋コンクリート造(RC造)の壁が当然重いのですから、遮音性能は高いわけです。

木造の建物よりも、外部の音が中に進入しにくいのはこのためなんですね。

まとめ

今回は、思いつく限りの数点を挙げてみました。

実際、考えれば考えるほど、どんどん出てくることは間違いありません。しかし、

鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅は木造住宅よりも坪単価の工事費が高い

という、どうしようもない問題が存在していると言うことも確かです。なので、多くの方が鉄筋コンクリート造(RC造)を選択肢から外しているのだと思われます。

ただ、もし私が自邸を建てよう!となったなら、

  • 予算の範囲で建てられる最大面積の鉄筋コンクリート造(RC造)の家を建てる
  • お金のかかる設備類は最小限にする

という方法も検討するかと思います。

設備類とは、キッチン、洗面化粧台、風呂、湯沸かし器、エアコン、トイレなどなどですね。

これらは、15年程度で必ず更新が必要になる部分です。その時に、改めて希望の設備を導入するなどして、少しづつ設備類のグレードアップをしていく、と言うわけです。

インテリアの改造は今後もいくらでもやることは出来ますが「建物自身」という箱物をやりかえると言うことは、なかなか難しいのが一般的です。なので、箱物だけは理想的なものを作ってしまい、その他は少しづつ買い足して、時間をかけて作り上げていく、と言ったスタンスです。

もちろん「出来る限り広くしたい」といった希望がある場合は、どうしても鉄筋コンクリート造(RC造)を選択する、ということは難しいと思います。その場合は、木造という縛りの中で、少しでも理想を叶えていく、というスタンスとなると思います。

家というものは「1回建てればそれで終わり」と言うものでもありません。

木造でも、鉄筋コンクリート造(RC造)でも、長い歳月の間に様々な部分が老朽化していくものです。それを自分でメンテナンスをしたり、改造をしたりして「育てていく」と言うことも大事なことだと思います。そして、それが「楽しくも幸せな生活」にもつながるのかなと、私たちは思っています。

 

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