では「コンクリート」とは何か?
前回は「鉄筋コンクリート」についてご説明をしました。今回はその「鉄筋コンクリート」を構成する「コンクリート」に焦点を当ててみたいと思います。
「コンクリート」と言う言葉は、誰もが当たり前に使っている言葉とは思いますが、 そもそも、この「コンクリート」とは具体的に何なのか?ということは、何気に知らない方も多いかと思います。「コンクリートブロック」と言うものもありますし。。。そこで、今回は、
「コンクリート」とはどんなものなのか?
について書いておこうと思います。
コンクリートは何で出来ているのか?
実は「コンクリート」という素材は、
- セメント
- 水
- 砂利
で出来たものなんです。
セメントとは、ほとんど石灰で出来ていますので、 石灰なんだ、と思って良いと思います。
あとは、水と砂利。。。 どこにでもある材料ですね。つまり安く入手が出来る、と言うことです。
これだけ、簡単に、安くそろう材料にも関わらず、硬くなると強いわけです。なので、世間一般でこれだけ使われているということなんですね。
よく街を走っている、ミキサー車。あのミキサー車の中には、ドロドロした コンクリートが入ってるわけですが、あれは、固まらない為にぐるぐる回っているわけです。では、
コンクリートはなぜ固まるのか?
糊のように、水分や溶剤が気化して乾燥するから固まるのでは?
と思っている人が多いのではないでしょうか。
でも、実際は違います。
実際は、この「石灰」と「水」が化学反応を起こして、固まっている んですね。
この化学反応で固まる過程では、熱を発します。これは「なんとなく熱を発する」という程度ではなく、かなり熱くなります。場所によってはコンクリート量が偏っていますと100℃以上になる場合もあると言われています。
そして、このコンクリート、ある程度固まるには、気温等にもよりますが最低でも1日程度は必要です。どの程度硬くなるのかと言いますと、人が上を歩いても変形を感じない程度なくらいには、固まります。
しかし、実際に構造的に期待されているほどの強度を持つためには、最低でも1週間くらい、できれば1ヶ月くらいはそっとしておいて欲しい、と言われています。そして、その間にこのコンクリートにはしっかりとしてあげなければいけないことが あります。それは、、、
コンクリートが固まりきるまでの間には水分が大事
ということです。つまり、水をあげるわけです。
植物みたいだな?
と思う方も多いと思いますが、まさにそうです。
水をあげる、と表現しますと確かに植物っぽいのですが、簡単に言えば、
常に程よく濡れた状態・・・湿潤状態
にしてあげることで、とても質のよいコンクリートが出来上がっていくのです。
有識者によりますと、これが完璧に出来ていれば、何もしなかったコンクリートと比べて強度がだいぶ違うという話です。ですから、コンクリートも、木や花と同様に、
大事に大事に育ててあげる
と言うことがとても重要なことなんですね。ですので、建築現場でも、コンクリートを打設した箇所には、それからしばらくの間、時々水をまいたりなどをするのです。
コンクリートに入っている「砂利」の意味
冒頭で書きました、コンクリートの材料の中に「砂利」があります。すると、
石灰と水が化学反応して固まるなら、砂利はなぜ要るの?
と言う疑問が出て来ると思います。では、なぜ砂利が要るのか、ですが、この砂利には大きな意味があります。
砂利は「骨材」と呼ばれている
混入する砂利は建築的には「骨材」と呼ばれています。骨材に対する条件は様々あるのですが、それは専門的な話になっていきますので、ここでは割愛しまして、この骨材の「役割」についてだけ説明しておこうと思います。
発熱の抑制
先ほど、コンクリートは「セメントと水の化学反応による」と書きましたが、この科学反応による発熱は、かなりすごいもので、原則的にはセメント量によります。
あまりにセメント量が多く偏っている上、発熱した熱が逃げない内部などは、コンクリート外部表面界隈と比べて、かなりの温度差が生まれてしまいます。すると、ひび割れ等による品質の低下を招いてしまうんですね。なので、化学反応を起こさない「骨材」を入れることで、セメント量を減らして、発熱量を抑えている、と言うわけなのです。
体積の収縮の抑制
次に、コンクリートは固まる仮定で水分が蒸発しますので、その分体積が減少します。コンクリート全てが「セメント + 水」ですと、その水部分が全て蒸発してしまえば、かなりの収縮につながってしまいますよね。そこにある程度の骨材を入れておいてあげれば、骨材は収縮しませんから、その分体積の収縮を抑えられるわけです。
省コスト対策
最後に、コストです。セメントよりも砂利の方がコスト的に安い んですね。なので、単純に、すこしでもセメント量を減らすのに、砂利を混ぜてあげた方がよいわけです。
とは言え、この骨材を多く入れすぎれば、ボロリと簡単に破壊されてしまうコンクリートが出来上がってしまいます。ですので、コンクリートは
セメント:水:骨材
の比率がちょうど良い範囲にあるように管理されている、と言うわけなんですね。
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